【商品について】焦点距離下部以外は全てブラックペイント（マウント部分もブラックペイント）の、セイケトミオさんが愛用しているHektor 7.3cm f1.9と全く同じモデル。このモデルは、元より製造数が極少で滅多に市場に出てきません。当初、手放す予定はなかったのですが、身辺整理として思い切って出品させていただきます。
ブラックペイントの純正フード「FGHOO」付属、ブラックペイントのリアキャップ付属で、ヘクトール73mmとしては光学も比較的綺麗な大変オススメの個体です。
経年に伴い全体的にブラックペイントの剥がれがみられますが、これら愛用していただくことでより一層味わい深くなると思います。
近年は、ヘクトール73mmの純正フードだけで10万円程のお値段が付いています。
純正フードは、画像4枚目のように逆付けすることで、フードがレンズの形とぴったり重なり、コンパクトに収納することが可能です。細やかな技術と造形の美しさもライカらしさかと感じます。
店舗ですと、50万円を越えるレベルの個体かと思いますが、即決価格でお安く出品させていただきます。
お探しだった方に喜んでいただければ幸いです。

1931年より製造されたエルンスト・ライツ社（ライカの旧社名）のスクリューマウント大口径レンズ "Hektor 7.3cm f1.9 " 。
”ヘクトール”というのがレンズ設計者であるマックス・ベレーク博士の愛犬の名前であったのは有名な逸話ですが、丁寧に工作された高級感のある鏡筒の作りは愛着を感じずにはいられないです。
当時のライツ社では、ヘクトールが初めてF2.0を切る大口径レンズでした。“73mm”という焦点距離は近接もそこそこ利きます。被写体をじっと見つめたような距離感で使いやすく、ポートレイトにも最適な焦点距離です。
1931年から1946年まで長い期間作られたレンズですが、総生産数は7225本と少ないです。
全世界で7225本しか存在しないことを踏まえると、入手困難なのは当たり前かもしれません。
開放では光が滲み、柔らかく湿度あるしっとりとした写り。絞るとシャープさもあり、非常に味わい深いレンズです。
カラー、モノクロームどちらも素晴らしい写りで主観ではありますが、水面やガラスの反射、雨に濡れた路面などライカらしい色気のある描写が楽しめます。
戦前、戦後と活躍した日本を代表する写真家の木村伊兵衛氏が愛用していたことでも有名ですが、ヘクトールで撮影されたセイケトミオさんのモノクローム作品の美しさに感銘を受けて愛用する人も多いです。
最近も、写真家の渡部さとるさんがご自身の動画サイトのチャンネルの中で、個展会場でセイケさんにお会いした際、「ヘクトールだよ！ヘクトール！」とおっしゃっていたというエピソードを話されていました。
ブラックペイントの剥がれやスレ、経年相応の使用感はありますが、ブラックペイントが剥がれた箇所から地金の真鍮が覗いて、工芸品のような美術品のような素晴らしい風格と存在感があり純粋にモノとして美しいです。
ヘクトール73mmもライカの古今の名レンズ同様に " 名玉はただ眺めて美しい " という言葉にピタリと当てはまるレンズです。
Leicaのブラックペイントのボディをお持ちでしたらよりお楽しみいただけると思います。
光学も僅かに埃やチリの混入、拭きスレ等ございますが、（製造年から考えて、埃、チリの混入、拭きスレのないヘクトールはございません。）過去に私が所有していたヘクトール73mmと比較しても発売から90年の歳月が経つレンズとしては、画像のように比較的綺麗なこの時代のレンズ特有の製造時に出来る小さな気泡が見られます。（気泡もヘクトール73mm全ての個体に見られます。）
絞りリング、フォーカスリングもスムーズです。

ブラックペイント好きには堪らない希少性も高いモデルで、全体のバランスが非常によく、描写も素晴らしいヘクトール73mmです。
※気泡は製造時からのモノで写りに影響はありません。
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ヘクトール73mmが登場したのは1931年、いま現存しているものは齢70から80歳以上(2021年現在は90歳）、その間どういう境遇にあったのかは知るすべもない。
他のライカの古いレンズも同じだが、自分の気に入ったレンズに出会えるかどうかは、すべて運次第、人に巡り会うような幸運が要る。
多少見栄は良くなくても、写りが気に入っていれば、それはもうこの世にたった1本、自分だけのためにあると思って大切にした方が良い。
だからぼくは気に入ったレンズは新旧を問わず、光学系にはできるだけ手を入れない。
汚れていても傷があっても、肝心なことは自分の求める写りが得られるかどうかであって、レンズの価値はまさにそこにあると思っている。
文・セイケトミオ 幸運のヘクトールより引用
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デジタルで愛用していましたが動作に問題なく、使用しない時は防湿環境にて大切に保管していました。
市場に出回っているヘクトールは最短距離が5feet(約1.5m)の個体がほとんどですが、
こちらのヘクトールはそこから更にヘリコロイドが繰り出し、主観では最短約1mくらいまで寄ることができます。
初期のヘクトールは最短距離が1mという話を聞いたことがありますが、詳細は不明です。
寄れるヘクトールとして希少性もかなり高い個体です。
これだけ寄れると、表現の幅はかなり広がるかと思います。

個人的には、古き良きオールドレンズを現代でも使用できることがライカ最大の魅力かと思います。
ここ数年でライカのオールドレンズは凄い勢いで高騰しております。
オリジナルのタンバールも普通では手が届かない金額に高騰しました。
生産数が少なく、当時より高額だったヘクトール73mmも数年後には、タンバール同様にお値段が高騰して手が出せない金額になると思っています。
ブラックペイントのヘクトール73mmとしては、相場よりお安く即決で出品させていただきます。
今現在も手放すことに迷いがあるので、気が変われば出品を取り下げさせていただくこともあるかと思います。
ご了承くださいませ。
よろしくお願いいたします。

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